工業高校というとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
あまり関わりがなく、なかなか一般の人には知られていないんじゃないかなと思います。
今回はそんな工業高校について、工業高校出身の私が簡単にお話ししたいと思います。
(目次はリンクになってますので、興味ないとこは飛ばして読んでいただけたら)
- 工業高校への進学を検討している人
- 工業高校に興味がある人
はじめに、筆者の自己紹介(工業高校出身者です)
初めに簡単に自己紹介をします。
私は3年間工業高校に通い、そこで化学を専門に学びました。その後は国立大学を一般受験して進学。
今回は、工業高校の紹介と共に、もともと理科が好きで特に化学に興味を持つ中学生だった私が、工業高校を選んだ理由について書きます。
工業高校とは
工業高校とは、機械や建築といった『モノづくりの知識や技術を身に着ける』ことを目的とした専門高校です。正式には工業高等学校といいます。
ちなみに、その他の専門高校としては、農業高校や商業高校、水産高校、家政高校、看護高校などがあります。
工業高校の学科・分野
工業高校の学科には、機械系、化学系、電気・電子系、建築系、デザイン系、などがあります。学科名は学校ごとに多少異なりますが、分類としてはこんな感じ。
また、どの学科があるかは学校によってかなり違いがあるため、進学で工業高校を検討しているのであれば、その学校に自分の希望学科があるかは確認が必要です。

家から近いところに工業高校あるんだけど、自分の希望学科がなかった・・・。

希望の学科のある工業高校を調べたら、家からかなり遠くて通うの大変・・・。

調べてみるとこんなケースもあるから、一回ちゃんと調べてみて!
どんな人が通っているの?
工業高校に通っている生徒に共通しているのは『モノづくりが好き』という気持ちです。分野は違えど、やはり皆、その道に興味関心があって進学してきています。
私のクラスメイトには、中学時代から独学で専門分野の勉強をしていて、機械いじりやプログラミングをこれまでも独学で一人でやっていた、という人がちらほら。
彼らは高校入学後も、専門教科の成績が抜群!・・・本当にすごいなと感じていました。
私は化学科に在籍していましたが、情報や機械に長けた友人の影響で、プログラミングを少しかじってみたり、機械にも興味を持ってみたりと、高校生活で興味の幅がそれまでに比べ格段に広がりました。

高校時代から、いろんな専門分野の人と関わることができて、良い経験だったなぁ。
卒業後の進路
工業高校からの進路は、就職と進学という2つの道があります。どちらの希望者が多いかは、学校ごとに結構異なるようです。
ちなみに、私の卒業した学校では進学の割合の方が多く、私立大学や国公立大学へ進学した友人がほとんど。
だから、将来は大学への進学を考えている、という人も安心してください。工業高校への進学で将来の道を狭めることにはなりません。
また、在学中に自分の進路を改めて考え直し、途中で文系へと方向転換した友人も数名います。彼らはその後、大学の文系の学科へと進学していきました。
このように、工業高校に進んだからと言って、みんなが理系の道に進まないといけない、ということはありません。
さらにいうと、理系であっても、進学を機に専門を変えることは全く問題ありません。建築⇒化学、のように。普通高校を卒業したと思って、心機一転、大学で1から学びなおせば良いのです。

『工業高校』という専門性の高い学校だけど、進路の選択肢は広くて、自分の好きなように進むことができますよ。
工業高校から大学受験する上での注意点
工業高校から大学受験を考える場合、進学校のように手厚いフォローはないことに注意が必要です。
大学受験には、工業高校の授業だけでは対応できません。もちろん学校にもよるとは思いますが、工業高校の一般科目の授業は大学受験を視野に入れては進められておらず、教科書レベルで終わってしまいます。
この対策として、独学で受験勉強を進めるか、塾に通うことを検討する必要があります。ただこれは、普通高校も進学校でなければ同じかなと思うので、それほど大きなデメリットではないかなと。
このように、筆記試験では不利な面もありますが、一方で、各種推薦入試をうまく活用する方法も。
一般的な高校生に比べると専門知識が多く、特殊な経験を積んでいることから、推薦でのアピールポイントが多い点は強みになります。

と言いながら、私はアピールが苦手で・・・、結局、筆記試験で大学受験をしました(笑)
高専との違い
工業高校と似た名前の学校に、高等専門学校、通称『高専』があります。こちらの学校も、工業や技術などに特化した学校となっています。ちょっとややこしいですね。
工業高校と高専のわかりやすい違いは卒業までの年数です。工業高校は3年制であるのに対して、高専は5年制です。
- 工業高校 ⇒ 3年制
- 高専 ⇒ 5年制
また、卒業後の進学に関しても違いがあります。工業高校からの大学進学では、普通高校からと同じように受験をすることになります。
一方、高専からも大学進学は可能ですが、基本的には大学3年次への編入です。
- 工業高校 ⇒ 普通に大学受験
- 高専 ⇒ 大学3年次に編入
高専からは大学3年次編入、つまり、基本的には学科の変更はできません。建築科で高専を卒業したら、大学も建築科で受験することになります。
私は高校受験時にその先の進路を考えて、途中で方向転換ができない点はデメリットかなと感じました。
- 工業高校 ⇒ 進学を機に学科を変えられる
- 高専 ⇒ 進学を機に学科は変えられない
また、高専は卒業後はそのまま就職する人の割合が多いようなイメージがあります。この辺りは細かく検証していないため、私の個人的なイメージでの話です。参考までに。
その他のメリット・デメリット
・専門知識が身につく
★資格取得のサポートがある
・大学受験は要注意
★男女比が偏っている
その他のメリット・デメリットとして、「★」について紹介します。
メリット:資格取得のサポートがある
工業高校のメリットとしては、資格取得を積極的にサポートしてもらえることが挙げられます。
各種資格について、学校から受験を勧めるアナウンスがあったり、場合によっては資格取得のための座学が用意されるなど、サポートが充実しています。

サポート体制は学校によっても違うかもしれないから、進学前に確認しておくとGood!
私は化学科でしたので、関連のある資格として、在学中の高2の夏に「危険物取扱者:乙種第4類」の資格を取得しました。
機械科の友人などは、溶接関連の資格を取得していましたね。
専門性の高い資格は、普通に生活していると、その存在も知らないようなものがあるので、工業高校で取得の機会を持てるのは大きなメリットと思います。
デメリット:男女比が偏っている(女子が少ない)
次に工業高校のデメリットに関してです。大したデメリットではないかもしれませんが、工業高校の男女比はかなり偏っています。やはり男子が多い・・・。これはもう理系、特に工業系の運命ですね。
私のクラスでは、30~40人のクラスに女子が4・5人という感じでした。
実は学科によっても男女比は結構違っていて、建築科とかだと女子が比較的多めだったりします。(それでも普通の高校よりは少ないですが)
私が工業高校を選んだ理由
私が工業高校を選んだ理由はシンプルに2つです。
- 化学が面白そうだから勉強したい
- 大学は普通に受験したい
受験生の時に訪れた学校説明会で概要を聞いて、興味を持ったことが工業高校を検討し始めた理由です。
一応、高専も見学に行きましたが、私は普通に大学受験をしたかったので、わりとあっさりと高専という選択肢はなくなりました。
大学への進学も視野に入れると、高校の偏差値も気になります。
私が進学した工業高校はちょうど『私の学力で少し背伸び』くらいの偏差値でしたので、あまり悩まず進学を決めることができました。
偏差値が自分の学力よりあまりにも低かったら・・・進学をもう少し悩んだと思います。やりたいことか、大学受験(+その先の将来)か。

最終的には、私立の進学校と工業高校の2択で、やりたいことをやろう!と工業高校を選びました。
私はその後、工業高校へ入学し、ちょっと変わった仲間たちと充実した高校生活を送って、無事卒業。大学受験もなんとか乗り切り、国立大学へと進学・・・。
ちょっと長くなりそうなので、今回は工業高校を選んだ理由までにしておきます。続きはまた機会があれば。
まとめ

今回の内容をまとめます。
工業高校には特色・メリットが多く、やりたいことが明確な人にはとても適した学校!ぜひ一度検討してみて!
工業高校とは、工業や技術を専門に学ぶことのできる3年制の高校で、機械化や建築家、化学科などなど、多岐にわたる学科があります。
卒業後の進路は、就職と進学から選ぶことができ、その割合は学校によってまちまちです。普通高校からの進路とそん色ない程度に、自由に進路を選ぶことができます。
カリキュラムの面でも、資格取得の面でも、専門性を伸ばすには良い環境で、やりたいことが明確に決まっている人にはオススメ出来ます。検討してみてください。

やりたいことが明確に決まっている人には本当におすすめですよ!
今回は、工業高校について簡単に紹介しました。
工業高校への進学を検討しているよーという方の参考になれば嬉しいです。